医療費の高額療養費制度が今年8月から見直されました。
高額療養費制度は、重い病気などで長期入院や治療が長引いた際に、医療費の自己負担額を軽減するための制度です。ひと月に医療機関等へ支払った医療費が高額になった場合、所得に応じた「自己負担限度額」を超えた分が払い戻されます(なお、保険外併用療養費の差額部分や入院時食事療養費、入院時生活療養費の自己負担額は対象外です)。
今回の改正は、高額療養費制度の見直しの基本的な考え方(令和7年12月16日:高額療養費制度の在り方に関する専門委員会)を踏まえ、5月29日に成立した「健康保険法等の一部を改正する法律案」の中で行われました。
主な変更点は「自己負担限度額の変更」と「高額療養費の年間上限の新設」で、見直しは今年8月と来年8月の2段階で実施されます。
具体的には、今年8月から低所得者の負担に配慮しつつ、一人当たり医療費の伸びに応じて、70歳以上の一定所得以下の者に適用される外来特例を除いた全ての所得区分で月額自己負担上限額が引き上げられます。
例えば、自己負担上限額は以下のように変更されます。
@ 70歳以上の住民税非課税の者:「25,700円」(改正前:24,600円)
A 年収約370万円〜約770万円の者:「85,800円+(医療費-286,000)×1%」(改正前:80,100円+(医療費-267,000)×1%)
B 年収約770万〜約1,160万円の者:「179,100円+(医療費-597,000)×1%」(改正前:167,400円+(医療費-558,000)×1%)
さらに来年8月からは、応能負担の観点から所得区分をよりきめ細かいものとし、現在の限度額から著しく増加することがないよう配慮しつつ細分化が行われます。
直近12か月間に高額療養費の対象となった月が3か月以上ある場合、4か月目以降は自己負担限度額がさらに軽減される「多数回該当」については、現在の金額が維持されます。その上で、新たに「年間上限」が設けられ、毎年8月から翌年7月までの1年間に支払った医療費の合計額で判定する制度が導入されます。これにより、慢性疾患の患者やがんなどの治療で複数年にわたる継続的な医療が必要な方について、年間の医療費全体を抑えることが可能となります。
また、来年8月からは低所得者への配慮の観点から、「年収200万円未満の課税世帯」における多数回該当の金額が引き下げられ、低所得者へのセーフティネット機能の強化が行われます。
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